慢性疲労

慢性疲労の沼にいつの間にかどっぷりとつかってしまって、抜け出せなくなっている方もいらっしゃるでしょう。

そこから抜け出すにはまずご自分がどんな状態にあるのかというのを確認することから始めて頂けたらと思います。

慢性疲労では次のような経験をされますがあなたにも心当たりはあるでしょうか？

• とにかく疲れが取れない
• 朝起きたとたん疲れている
• 体が四六時中だるい
• 常に横になりたいような気分だ
• 気力が全くわかない
• 集中力や記憶力が落ちてしまっている
• 仕事のミスが目立ってきた
• 友達に会うのすらめんどうだ
• 常にイライラしている
• 元々明るい方だったのに、最近では不満ばかりで暗くなってしまった
• 全然寝付けない
• 眠れてもすぐに起きてしまったりする
• 胃腸の調子が悪い
• しばらく朝食を食べていない
• 暴飲暴食を繰り返している
• 楽しいと感じることがほとんどない
• 肩こりがひどい

慢性疲労とは一晩寝ても回復しないような疲労感が半年以上続く状態を指します。慢性疲労を感じる人は近年大変多く、現代病としても側面もあったりします。

本来的には疲労というのは体からの重要なSOSになります。

疲労を感じたら休息をとるという風にして、毎日毎日疲労と回復を繰り返していくはずなのですが、それが何らかの理由でうまくいなかなくなってしまう場合があり、そうなると疲労が回復せず慢性疲労に陥ってしまうのです。

冒頭にも説明したように、単に「疲労感が取れない」というだけではなく、胃腸の調子が悪くなったり、精神的にも不安定になるなど、心身に影響が現れます。

しかし、慢性疲労を感じていてもなかなか仕事を休めないとか、介護や看病を休めないといった方もいらっしゃいます。

そのまま体のSOSを無視するような形で動き続ける選択しかないような場合、慢性疲労はさらに深刻になります。

ついにはSOSである疲労すら感じにくくなってしまい、ある日突然心筋梗塞や脳血管障害などを起こしてしまったりします。

また、慢性疲労と聞いて慢性疲労症候群を連想される方もいらっしゃるかもしれませんが、これらには違いがあります。

慢性疲労は慢性的な疲労を抱えつつ日常生活を送ることが問題になりますが、慢性疲労症候群では日常生活を送ることができないほどの疲労が問題になります。

激しい疲労感や微熱、筋肉痛、睡眠障害などにより生活がままならなくなるのです。

慢性疲労の原因としては様々考えられますが、そのどれか一つが原因というより、それらのいくつかが複合的に合わさり悪循環を生むというような形で症状を深刻にしていきます。

そもそもは精神的、肉体的なストレスや疲労が強かったり長期間が続いたりというのが引き金になりますが、それが自律神経や内臓にも負担となりその機能を狂わせてしまいます。

そうするとその不調がさらに精神的、肉体的ストレスを生むなどして、悪循環が生まれ疲労が慢性化していくのです。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は活動や緊張を促し、副交感神経は休息やリラックスを促します。

自律神経系はその時の状況によってどちらかを優位にすることで適切に血流や内臓の働きなどをコントロールしています。

自律神経は体の内外の情報を送受信しながらそういったコントロールを行っているので、自ずとストレスの影響を受けやすかったりします。

ストレスの影響を受け続けると交感神経が優位な状態が続いてしまい、バランスが乱れコントロールも乱れてしまいます。

そうなると内臓や筋肉の働きの他、気分などにも影響し、胃腸の調子を崩したり、頭痛や肩こりなどの症状が現れたり、気分が落ち込みうつのような状態になってしまったりします。

また、強い疲労や長く続く疲労を感じ続けると免疫を低下させてしまったりもします。

その結果すぐに風邪をひいてしまったり、体の中に潜んでいたウイルスなどが活性化して口唇ヘルペスなどを発症したりします。

このように精神的、肉体的ストレスや疲労を引き金にした様々な心身の不調が、悪循環を生み慢性疲労を深刻にします。

ストレスや疲労は仕事、家事、育児、介護、看病、勉強、人間関係など様々なことが原因になり、現代社会ではよりその負担が問題になっていたりしますが、さらに、パソコンやスマホなどの普及で複雑化しており、慢性疲労は多くの人にみられるようになりました。