自律神経が乱れる原因は色々

前の記事では「自律神経とは」ということで、自律神経の役割やしくみなどの基礎的な部分の説明をしましたが、今回は自律神経が乱れる原因について説明していきます。自律神経は身体や心の内外の刺激に反応して内臓や血管などのコントロールを行っていますが、今回説明する様々な原因から過剰な刺激を受け続けると、それが原因で自律神経が乱れてうまくコントロールができなくなり、不調が現れます。

自律神経の乱れと交感神経

自律神経の乱れはストレスなどの原因により、交感神経が過剰に興奮することで起こります。ストレスに対抗するために心身が臨戦態勢をとっているのです。敵に挑もうと思うと気持ちも興奮しますし、眠気もとんでしまいます。敵を見据えるのに瞳孔も開きますし、筋肉も固くなりいつでも動けるような態勢がとられるでしょう。これは危機に直面した時に誰もが反射的にとる反応になりますが、様々なストレスなどによりこういった状態が長く継続してしまうと自律神経が乱れ、休息やリラックスを促す副交感神経がうまく機能しにくくなってしまいます。その結果様々な不調が現れるのです。

自律神経を乱す具体的な原因

自律神経を乱す具体的な原因としては「精神的ストレス」「身体的ストレス」 「生活の乱れ」 「化学的ストレス」「季節性のストレス」「体のゆがみ」などが考えられます。これらについてそれぞれ詳しく説明していきます。

精神的ストレス

自律神経を乱す原因としてやはり一番考えやすいのが精神的ストレスになります。仕事や学校などでの人間関係やプレッシャー、家庭での夫婦関係や、子育ての悩み、介護の負担、大切な人との別れなど、日々の生活の中では様々なストレスがあります。こういった精神的ストレスは自律神経を乱す原因にもなりますが、うつ病や適応障害などの精神疾患の原因にもなることもあります。ですので自律神経の乱れは精神疾患を患う方の多くにもみられます。病的な精神症状がみられず自律神経の乱れによる不調だけがある場合は、自律神経失調症と診断されたりします。

身体的ストレス

自律神経を乱す身体的ストレスには過剰な光や音、暑さや寒さなどが考えられます。寒すぎる部屋で過ごし続けているとか、暑すぎる場所で仕事をしているといったことが身体的なストレスとなります。また、特に最近ではスマホの画面の強い光が身体的なストレスとなっている場合もあります。現代人はスマホを凝視する時間が非常に長いです。日中だけでなく、夜寝る直前に至ってまで見続けていたりします。そういった悪しき習慣が身体的なストレスを蓄積させます。スマホだけでなくパソコンやテレビの画面でも同じようなストレスを生み、自律神経の乱れを招きます。

生活の乱れ

起床時間や就寝時間、食事の時間などが不規則になり生活のリズムが狂うと、体内時計も狂い自律神経も乱れてしまいます。例えば、夜更かしが続いたり、夜勤の仕事で昼夜が逆転してしまったりすると、そういったことが起きやすくなります。

化学的ストレス

化学的ストレスとはコーヒーなどに含まれるカフェインや、お酒に含まれるアルコール、たばこに含まれるニコチンなどの過剰摂取によるストレスになります。そういった物質の過剰な作用により自律神経が乱れてしまうのです。最近ではエナジードリンクやストロング系チューハイが人気ですが、自覚が少ないまま過剰摂取を繰り返し化学的ストレスを増大させてしまうようなことも考えられます。

季節性のストレス

例えば梅雨時などの湿度が高い時期や、寒い冬、暑い夏など、その季節特有の湿気や気温がストレスになり、その時期になると自律神経が乱れるという場合があります。また、日々の天気によっても自律神経が影響を受け、体調を崩してしまう場合もあります。これはいわゆる「気象病」になりますが、例えば雨が降り出すと体調が悪くなるといった風な具合になります。

体のゆがみ

姿勢の悪さに加え日々の負担や運動不足、または加齢などが重なっていくと体がゆがんでしまいます。体のゆがみは背骨のゆがみにもつながり、背骨のゆがみはさらに自律神経の乱れにつながるのです。背骨には脳から全身に向けての重要な神経が束ねられています。背骨がゆがみ血流が悪くなったり神経を圧迫するなどすると、自律神経が正常な機能を保てなくなってしまうのです。自律神経の乱れがあるという場合、ほとんどの方に体のゆがみがみられたりします。体のゆがみは自律神経の乱れを起こしやすくする素地として存在し、そこに様々なストレスなどが加わることで乱れを深刻にしますが、さらに深刻になった乱れを増悪させるなど悪循環を生みます。

重野整体院