不安神経症

不安神経症は最近では全般性不安障害とも言われます。

この病気では日常の様々なことの不安を感じるため、次のような大変辛い思いをされていたりします。

• 日常生活で不安になることが多すぎて疲労困憊している
• いつも緊張が解けなくて肩こりなどがひどい
• 何か気になることがあるととりとめなくそのことばかり考えてしまい、他のことが手につかなくなる
• 常に色々な事を考えているため目の前のことに集中できず、記憶力も落ちた
• 不安で頭の中がパニックになってしまったりする
• 一つの不安についてどこまでも悲観して考えてしまう
• 体の調子も慢性的に悪くて、倦怠感や頭痛、動悸、めまいなどがよく起こる
• ぐっすり眠れなくなった
• 気持ちが沈むことが多くうつ状態でもある
• 外出したり人と会う気になれない
• 日常生活や仕事にも影響して生きづらさを感じている

不安神経症は冒頭でもふれた通り、最近では全般性不安障害という名称が正式な診断名となります。

症状だけをみるといわゆる「心配性」と言われる人にも見られるようなことが多く散見されますが、不安神経症の場合はそういった性格や性分の範疇を超え、身の回りの様々なことに過剰に反応し不安に感じるのです。

さらにその不安が頭から離れず、とりとめもなく悲観的に考え続けてしまったりします。

そうやって心身共に常に緊張状態になってしまい疲弊し、集中力や記憶力をなくしてしまったり、うまく眠ることができなくなったり、肩こりや動悸、頭痛などに悩まされたりします。

その影響は仕事や人間関係、日常的な生活などにも現れ、それまでのようにうまく立ち回ることが難しくなり、外出しにくくなったり人と会いにくくなったりします。

こうして生きていくための活動に支障が出ると改善が必要になり不安神経症という診断がつくことになります。

心身に現れる様々な不調はそれぞれが影響しあい悪循環を起こしてしまうので、なかなかそこから自分だけの力で抜け出すことが難しくなります。

うつ病などの精神的な不調の症状としてもこういった不安神経症のような症状が現れることもありますが、この場合ですとその不調から回復すると不安神経症のような症状も出なくなります。

不安神経症は不安に対して起こり、その不安自体を自分でコントロールできなくなるということが問題になるので、そういった精神的な不調とは区別されます。

しかしながら、それらは同時に併発することが大変多いです。

不安神経症の原因についてははっきりとは分かっていませんが、いくつか考えられることがあります。

不安神経症を患っている又は患ったことのある家族がいる
子どもの頃に辛い経験がある
以前、事故にあったり大きな病気をした経験がある
ストレスを抱えている
自律神経系の障害を抱えている
こういったことと脳の機能的なことなどが複雑に影響しあって症状を起こすと考えられています。

不安神経症では強い不安があったり、それにより集中できないとか悲観的になるなどの精神症状と、頭痛、肩こり、めまいなどの身体症状があります。

中でも身体症状については自律神経症状と筋緊張症状の２つに分けることができます。

＜不安神経症の身体症状が起こるのは＞

〇自律神経への影響から

自律神経症状とは自律神経系への影響から現れる症状になります。自律神経は交感神経と副交感神経からなり、この双方が拮抗しながら血管や内臓などの働きをコントロールしています。

そのために特に意識しなくても心臓が動いたり呼吸ができたりしているのです。自律神経はストレスなどの影響を受けやすく、不安神経症のような強い不安などが影響すると、交感神経と副交感神経の働きのバランスが乱れてしまいます。

そうすると自律神経がコントロールしている働きに異常がみられるようになり、頭痛、耳鳴り、めまい、動悸、肩こり、倦怠感、息苦しさなど様々な症状が現れます。

〇筋肉への影響から

筋緊張症状とは筋肉が過緊張状態になることで起こる、肩こり、頭痛、腰痛などになります。

筋肉は伸び縮みすることでスムーズに動作が行えるようになっていますが、緊張状態が続いてしまうことでそれが適切にしにくくなってしまい症状を起こすのです。

不安神経症では不安がコントロールできなくなることから、様々な心身の症状を起こし、さらにそれらが相乗的に影響して症状を起こすという風に、悪循環の中で深刻になって行ってしまうのです。